店日記

廃業寸前
2021年06月09日(水)
多少、混雑した日々が続きましたが、また、いつもの暇な日々に戻りました。
暇なんですが、暑さ、湿度、寒暖の差でだるい。
50歳ともなると肉体労働はきつい。

いや、生きているだけで辛い。

店主としては暇な日々はよくないと思いますが、体調が優れないので、これでいいのかもしれません。
30代、40代とは違い、もう若くはないです。
若い世代にバトンタッチです。

とはいえ、若い世代に治療業は酷な話かもしれません。
この業界はブラックだと言われています。
このご時世で鍼などの資格を取っても生活できるかわかりません。
鍼よりはマッサージや整体の方がマシですが、それでもブラックです。

どうしてブラックなのか?

理由はたぶん・・・
市場が小さいうえ、重要性が低いからだと思います。

美容師や歯医者さんも大変だと思いますが、散髪や歯の治療は絶対に必要です。

ところが鍼はほとんどの人が受けません。
無理やり勧めるものでもありません。
マッサージや整体は、ある程度の需要はありますが、それでもお金がなければ受けません。
不況やコロナなど、何かあれば来客が途絶えます。
家で自分でやってもいいですし、運動やストレッチ、マッサージ器などで何とかなります。

安定した生活には、そこが重要なんですよ。
散発的な来客でもやっていける場合がありますが、
それは非常に高額な物を扱う場合です。
例えば、骨董品や不動産、貴金属やら高級車、宝石など。
そういうのは閑散とした日々があってもやっていける商売です。

仕事はインフラに近い方が安定します。
米(或いはパン)や水、電気のように絶対に必要ならば安定します。
鍼は無くなっても、さほど困りませんが、電気が止まったら大変です。
そういう訳で100万人の治療家を養成しても、全員が頑張っても10年、20年先まで続けられるものではありません。
一時的なブームで市場が拡大している時はいいですが、縮小した際は振り落とされます。
それでも養成し続ければ、ほとんどの人が競争に負けてしまいます。
そもそも競争にすらならないかもしれません。

ですから、治療師を目指すならばリスクを覚悟しなければなりません。
とりあえず資格とり、経験積んでみるのはいいですが、

無理そうなら辞める。

その見切りが大事です。
優先すべきことは最低限の生活を守ることです。
長く耐えたから、将来、道が開ける訳ではありません。

どんな仕事でも、無駄に時間と体力を浪費すれば行き詰ります。ダメなら早々に転職する方がいいです。
そう考えると、私のような病弱でダメ店主の方が、
この廃れた業界には向いているのかもしれません。
でも、枯れた老人ばかり残った業界はよくないです。
どの業種も若いパワーが引っ張っていくものです。
難しいですね。

何故、こんな暗雲が立ち込めるような話をしたかと言うと、
仕事柄、いろいろな職業の方と話す機会が多くて、いろいろと考えさせられました。
それと、最近、鍼資格を取りたいという話をよく聞くからです。

一見、良さそうに見えても、理想と現実の差があります。

そこを熟考して職業なり大学、専門学校を選んでいくべきです。
ある子が、私はスポーツ選手になりたい!と言っても、高校生を卒業する頃になれば、とても難しいのが分かっていくると思います。
可能性は極めて低い。
しかし、あこがれて目指すのはいいと思います。

そこで大事なのが見切りです。

目指して頑張ったが、どうも無理そう。
ならば、ここまでの努力の価値を認め、今の自分ができる何かを探す。
仕事ってのは、そんなものだと思います。
昨日までパン屋、明日から葬儀屋でもいいんです。

まあ、今日はこの辺で・・・また、どうでもいい話を書いてしまった。
悪影響で、さらに暇になるでしょう。

追記、私はAB型なので、しばらくすると主張が変わるかもしれません。

次回は、夢のある話をします。
・・・たぶん。

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