今日も暑いですね。
外に出るのも危険なほどですが、室内でもエアコンなしで過ごすのは非常に危険です。
さて、昨日に続き、今回は易経における「踏みとどまる力」について解説したいと思います。
物事を前進させる原動力となるのは「陽気」です。
易では陰陽を三つ重ねて「八卦」を、六つ重ねて「六十四卦」を成します。
陽が三つ重なると「乾(けん/天)」という卦になり、六つ重なると「乾為天(けんいてん)」となります。
陽が六つ重なることで「剛正(ごうせい)」のエネルギーが生まれ、物事を成し遂げる力となります。
剛正の人は、その強い剛の力で大勢を引き連れ、先陣を切って行動します。
一方、陰性の人にもわずかに剛の気はありますが、それは一人で小さく前進するような形です。
いずれにしても、「乾為天」は剛の力で突き進み、物事を達成することを意味する卦であり、仕事を続ける上での原動力ともなります。
この乾為天では、剛の作用を「龍」にたとえています。
第三節では、この龍が六つの段階に分けて描かれていますので、以下にその段階を解説します。
剛に突き進み、物事を成すにも、段階を踏んで進めることが大切です。
潛龍勿用(せんりゅう もちうるな)── 下なり
最初は、時機をうかがい、じっと待つ段階です。行動してはなりません。
たとえば、就職で言えば、自分に合った場所が現れるまで動かないこと。
起業する場合も、時を見極め、安易に動かないという姿勢が求められます。
見龍在田(けんりゅう でんにあり)── 時に舎(す)つるなり
次に、目的が見えたなら、時間をかけて学び、備える段階です。
終日乾乾(しゅうじつ けんけん)── 行事なり
三段階目にて、ようやく行動し、物事を推し進めていくことになります。
或躍在淵(あるいは えんにおどる)── 自ら試みるなり
四段階目は、方法を改める時です。これまで良しとしてきたことを見直し、全面的な改革を行う時期です。
飛龍在天(ひりゅう てんにあり)── 上に治まるなり
五段階目にて、ようやく物事がうまくいく段階に入ります。
亢龍有悔(こうりゅう くいあり)── 窮まるの災いなり
最後は、進みすぎたために後悔するという結末です。
剛陽に過ぎれば、失脚することになります。
その手前で身を引くことが重要です。
このように、前進するにしても、勢いに任せるのではなく、慎重に、一歩ずつ段階を経て進むことが大切だと易経は教えています。
欲のままに突き進めば、闇バイトのような罠に陥ってしまうかもしれません。
以上、今回は第三節の解説でした。
次回は第四節について解説いたします。
そして、この「乾為天」、つまり剛陽の道には、実はもっとも重要な概念が隠されています。
それについては、最後にお話しする予定です。
では、また。